棺を、開けろ。アンダーテイカーを殺せ。


棺アンダーテイカー


血。
真紅。
真っ赤。
届かない。
遠のく意識。
呼んでいる声。
誰かが呼んでる。
恋人の鮮血の匂い。
私は刀を持っている。
血まみれで気持ち悪い。
先に逝ってしまうのは残念。
結局何も護れはしなかった。
もう一度一緒に遊びたかった。
叶わない願いなどとは解る。
炎と血の色に掻消される。
愛しい人、泣かないで。
また会えるでしょう。
その時は、きっと。
霞んでゆく景色。
呼んでいる声。
御免なさい。
閉じる瞼。
真っ暗。
暗黒。
血。


私は死んでゆく。
愛しい人の膝の上で。

そして目覚める。
知らない水溶液の中で。


青。
群青。
真っ青。
戻る意識。
痛みがない。
何も感じない。
誰かが見ている。
私はどうなったのか。
揺らめく水面が綺麗だ。
解らない事すら解らない。
水の中なのに息苦しくない。
白衣の科学者が私を見る。
愛しい人は何処に居る。
香りも、気配もしない。
私は守らなければ。
誰を守りたいの。
私は誰なの。
誰が、私。
不可解。
暗黒。
誰。


「ハロー、xxxxx。ご機嫌如何、xxxxx?」
白衣の科学者は問う。

私の中から私が消えてゆく。
「私は誰なの。」



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